去る5月22日(金)に、令和8年度福島県市町村教育委員会連絡協議会伊達支会の総会及び研修会を、伊達ふれあいセンター(伊達市立図書館)を会場に開催しました。本協議会では、年間の活動計画や予算等を協議する総会に加えて、毎年、研修会を実施しています。
昨年度までは、各市町村の教育に関連する施設見学や体験が主な内容でしたが、本年度は、教育に関するテーマをもとに各市町村の取組や特徴などについて意見や情報を共有し協議する時間としました。
今回は、読書をテーマに取り上げ、伊達市立図書館の宍戸正幸館長からの講話と施設案内の後に、3つのグループに分かれて意見交換会を行いました。

意見交換の話題に入る前に、本市の読書活動推進について触れたいと思います。市では、「読書は、読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多様な文化の理解や、人とのコミュニケーションの基礎を築き、思いやりの心を育むことに資する」という考えから、「伊達市子ども読書活動推進計画」を平成23年3月に策定しました。その後、平成29年1月に第2次、令和3年4月に第3次、本年度令和8年4月に第4次と、時代の流れに合わせて推進する視点を明確にし、より実践的な内容となるよう計画の見直しを図ってきました。
第4次計画の策定に当たっては、読書に親しむ機会や読書環境の整備、読書活動の理解という3つの基本方針をより充実させるとともに、近年のスマホやタブレット等の急速な普及やスマホ所持率の低年齢化が子ども読書環境にも大きな影響を与えることから、新たな読書の手段として電子書籍を導入しています。また、電子書籍の利用促進を図るために市内の全児童生徒に電子図書館IDを割当て、図書館の個人利用がなくても電子図書の利用(閲覧・貸出)ができるようになっています。
その取り組みの中心となって活動しているのが伊達市立図書館です。講話をいただいた宍戸館長からは図書館が行っている様々な事業内容を聞くことができました。
たとえば、最も大切な選書については、毎週1回選書会議を開いて、ジャンルに偏りがないように選書を行っていること。また、市民からの要望に最大限に応えるためにリクエスト対応を行っていること。図書館のある伊達地域以外の方々にも貸出ができるように「出張!市立図書館」を、保原、梁川、霊山、月舘の各交流館に設けていること。など、読書の楽しさを広げるための様々な取組を知ることができました。
また昨年度は、館内見学に加え絵本の読み聞かせ、本を借りる体験等を基本とした見学学習に市内全ての小学校が来館したそうです。このことは、学びを支える図書館として本施設が機能していることの証であり、大変望ましいことと話されていました。さらに、各種イベントも多数開催されています。昨年1,300人を超える来館者のあった「図書館祭り」をはじめ、「夜のスペシャルメニュー in Date ライブラリー」など、子どもから大人まで幅広い世代の方々が読書の楽しみを味わうことができる催しが盛りだくさんでした。

3つの班で行われた情報交換会では、貴重な意見をたくさん聞くことができました。まず、読書の楽しみを広げるためには幼少期から本に親しむ習慣が大切であり、各教育委員会では「ブックスタート事業」を行っていること。(本市でも4歳児健診時に絵本とブックスタート手帳を贈呈し、乳児期から絵本を通した親子の触れ合いの大切さを伝えています。)
年齢が上がるにつれて読書時間が減る傾向があり本離れが深刻であること。ネット利用時間の長さが読書量の減少に影響しているとも考えられること。(県教委の調査では、1か月の読書冊数が「0冊」と回答した割合は高校生が48・1%、中学生が13.3%。理由の一つは、スマホ利用。こども家庭庁の調査では中学生の8割、高校生の9割が所持し、趣味目的でのインターネット利用時間は、1日あたりで小学生が2時間23分、中学生が2時間59分、高校生が3時間36分となっている。)
こどもが読書の習慣を身に付けるには大人や社会の働きかけが必要であること。自宅で保護者が一緒に読書をし、自分の好きな本を子どもにも勧めていること。読み終わった後に互いに感想を伝え合うこと。親も子どもと一緒にスマホから離れる時間を生み出すこと等、様々な視点から話し合いが行われました。
また、読書感想文の是非、学校図書館の充実や学校司書の全校配置、移動図書館の新設などを求める意見も出されました。さらには、書店の閉店が加速する現状から、今年の11月にオープン予定の伊達イオンモール内の書店に寄せる期待など、設定された50分が短く感じられるほどに有意義な時間を共有することができました。


今年の5月12日まで設けられた「子どもの読書週間」では、「ことばがきみのはねになる」という標語が使われていました。
物語の登場人物の心の動きを想像したり、新たな知識を得たりすることができる読書は、文字通り子どもたちが成長するための『はね』となってくれるもの。本の楽しさに気づくきっかけを大人がつくってあげたい。とあります。
市教育委員会では、幼小中の先生方を対象とした読書活動推進連絡会を6月4日に開催し、「絵本がつなぐ親子の絆と子どもの育ち」と題して、月舘認定こども園の園長先生から実践発表を行っていただきました。これからも、子どもたちの成長するための『はね』を大きく育てるために、読書活動充実を図っていきたいと考えています。
暦を見れば6月も半ばを過ぎ、夏休みまで約1ヵ月となりました。各園、各学校では学校行事等も大きな事故なく終えて1学期のまとめに入る時期になります。市民の皆様には6月後半、そして7月に向けても各学校、教育委員会の活動に対しましてご理解とお支援を賜りますようお願いいたします。
(6月 教育長の部屋)
教育長 渡 部 光 毅